yarnを使ってみよう

yarnとは

Yarnは、JavaScriptのパッケージマネージャであり、Node.jsプロジェクトでの依存関係の管理やパッケージのインストール、ビルドなどを効率的に行うためのツールです。Yarnは、npm(Node Package Manager)と同様の機能を提供しますが、パフォーマンスやセキュリティの面で改善されています。

Yarnを使用することで、プロジェクトの依存関係を簡単に管理できます。package.jsonという設定ファイルに記述された依存関係の一覧を元に、必要なパッケージを自動的にダウンロードしてインストールします。また、依存関係のバージョン管理やアップデートも容易に行うことができます。

Yarnはコマンドラインツールとして提供されており、一般的なコマンドは次のようになります:

  • yarn init: 新しいプロジェクトを初期化し、package.jsonファイルを作成します。
  • yarn install: package.jsonに記載された依存関係をインストールします。
  • yarn add <package-name>: パッケージをインストールします。
  • yarn remove <package-name>: パッケージをアンインストールします。
  • yarn upgrade: プロジェクトの依存関係を最新のバージョンにアップグレードします。
  • yarn run <script-name>: package.jsonに記載されたスクリプトを実行します。

Yarnは多くの開発者によって広く使用されており、JavaScriptのエコシステムでの一般的なパッケージ管理ツールとなっています。

yarnとnpmの違いは


Yarnとnpmは、JavaScriptのパッケージマネージャであり、共通の目的を持っていますが、いくつかの違いがあります。

  1. パフォーマンス: Yarnはパッケージのダウンロードとインストールのパフォーマンスを重視しており、依存関係の解決やキャッシュの効果的な利用によって高速な処理を実現しています。一方、npmはnpm v5以降で改善が進められており、パフォーマンスの差は縮まっていますが、Yarnに比べて若干遅い場合があります。
  2. セキュリティ: Yarnはパッケージのダウンロード時にチェックサム(ハッシュ値)を使用してデータの整合性を確認し、パッケージの信頼性を高めています。また、セキュリティに関する問題が報告された場合、Yarnは素早く対応することが知られています。npmもセキュリティに関する機能を提供しており、パッケージの脆弱性スキャンや報告システムなどがありますが、Yarnほどの詳細なセキュリティ機能は提供されていません。
  3. ロックファイル: Yarnはyarn.lockというロックファイルを生成し、パッケージのバージョンを確実に固定することができます。これにより、異なる環境でのパッケージのバージョンの一貫性を保つことができます。npmはpackage-lock.jsonというロックファイルを使用しており、同様の機能を提供していますが、Yarnのロックファイルはより詳細な情報を含んでおり、依存関係の解決においてより正確な結果を提供します。
  4. コマンドの互換性: Yarnはnpmのコマンドを互換性のある形式でサポートしています。そのため、npmコマンドをYarnで置き換えて使用することができます。逆に、npmはYarnのコマンドをサポートしていません。

どちらを選ぶべきかは、個々のプロジェクトや開発環境によって異なります。多くの場合、npmを使用することで十分なパフォーマンスと機能を得ることができます。ただし、大規模なプロジェクトやパフォーマンスに特に注力したい場合は、Yarnを検討する価値があります。また、既存のプロジェクトやチームの標準に従うことも重要です。

yarnの開発者は?

Yarnは、FacebookとExpoチームによって共同開発されました。当初、Facebookが内部のパッケージ管理のニーズを満たすために開発し、その後、オープンソースプロジェクトとして公開されました。ExpoチームはYarnの開発に貢献し、改善を行いました。

Yarnの開発はコミュニティ駆動で進められており、多くのコントリビューターがプロジェクトに参加しています。FacebookとExpoチームは主要な貢献者の一部ですが、Yarnの開発は広範なオープンソースコミュニティによって支えられています。

yarnとnpmのどちらのシェアが大きいか


現在のJavaScriptのパッケージマネージャのシェアに関しては、Yarnとnpmの間で競争が続いています。ただし、具体的なシェアの割合は頻繁に変動するため、正確な数値を示すことは難しいです。以下に、一般的な傾向を示します。

過去数年間、npmが最も広く使用されてきました。これは、npmがデファクトスタンダードとなっていたため、多くのJavaScript開発者がnpmを利用してきたことによります。また、npmはNode.jsの公式パッケージマネージャとしても採用されており、Node.jsコミュニティの主流となっています。

一方で、Yarnはその高速性とセキュリティ機能の向上により、徐々に人気を集めています。特に大規模なプロジェクトや複雑な依存関係を持つプロジェクトでは、Yarnの利点がより顕著に現れることがあります。また、ReactやVue.jsなどの人気のあるフレームワークやツールにおいて、Yarnの使用が推奨されている場合もあります。

したがって、現在のシェアは地域やプロジェクトの特性によって異なる場合があります。一部のプロジェクトではnpmが主流であり、他のプロジェクトではYarnがより普及しているという状況があります。どちらのツールを使用するかは、開発者やチームのニーズや好みによって異なるため、最適な選択肢を検討する価値があります。